事務所員の独り言〜相続法の一部改正〜
おはようございます。
本日の東京は、暑くもなく寒くもなく、カラット晴れているわけでもなく、かと言って雨が降るわけでもなく、少々あやふやな天気となっております。
昨晩、新潟から東北地方にかけて大きな地震がありました。現地の方でこのブログを読まれる方はさすがにいないと思いますが、ご親戚等いらっしゃる方は、ご心配のことと存じます。
さて、本日の話題ですが、少々前(6月1日)の日本経済新聞に載っていた記事(後で読もうとファイリングしていたままだったものが偶然出てきました)についてご報告したいと思います。私もこの仕事について、まだ数カ月で、知識が実務についてきていませんが、来月から相続法に一部改正が入ることになっています。
来月の改正点は大きくは3点。1つ目は故人の遺産(主には銀行預金)が相続の決定前(遺産分割協議中)に仮払いできることとなります。概要はと言うと、預金額の3分の1に法定相続の割合をかけた分まで当該相続人が支払いを請求できるようになります。ただし引き出せると言っても無駄使いできるわけではありません。あくまで相続財産であることには代わりませんので、遺産分割協議の相続財産の対象になります。ただ、入院代や葬儀費用の支払いとして使うことが可能です。
次の一点は「遺留分」についての規定です。相続で遺言書が残されている場合、遺言書による財産の分配が片寄る場合があります。そのような場合に法定相続人は自分の遺留分を主張できます。(法定相続分の2分の1まで)。従来であれば、例えば財産が不動産の場合、不動産自体が共有状態となりすぐに分けられなくなってしまいましたが、改正後は現金での清算が可能とります。(従来も裁判所の調停などで、現金精算はありましたが、そこの手続きが簡素化される認識で良いと思います。)
最後に、介護等の特別寄与料の請求が可能となります。これは何かといえば、長期に渡り奥様が義理の親(夫の親)の介護をしてきたような場合に、個人の残した遺産から現金(貢献分)を請求できるという内容です。今までの日本的慣習で、特に奥様は嫁ぎ先の「家に入る」感覚があり、「義理の親の介護は当たり前」みたいな風潮がありましたが、今後は少々「ドライ」な関係となり、介護を負担したらそれなりの見返りを請求できるということです。これも「核家族化」、「夫婦の共働き」が進んだ結果かもしれません。古き良き(?)時代の日本が薄れていくのは少々寂しいですが、長期間の介護は身体的には精神的にも大きな負担となりますので、「見返り」が認められるもの当然な時代の流れかもしれません。