中銀カプセルタワービル
今日も朝から暑いです。本格的な「夏」到来といったところでしょうか。子供たちは夏休みで、海山に出かけているかもしれませんが、くれぐれも暑さ対策等怠り無いようお気を付けください。お勤めな方は、暑い中朝からご苦労様です。この暑さですから、くれぐれも体調にはお気を付けください。
さて、本日の話題です。タイトルに書きました「中銀カプセルタワービル」ってご存じですか。写真を下に入れておきましたので、ご覧になった方はいらっしゃると思います。
場所は、東京都中央区。高速道路を挟んで汐留の向い側。築地の端っこといった感じでしょうか。首都高速道路を芝浦側から走ってくると正面に見える建物です。(銀座側から走ってきても正面に見えるはずです。)
なかなか独特のフォルムで目を引く建物で、その近未来的なフォルムに、子供の時は未知の何かを感じて意味もなく高揚した記憶があります。
この正体ですが、故黒川紀章氏(建築家)が設計した代表作「中銀カプセルタワービル」です。黒川紀章といえば日本を代表する建築家で、その設計には港区にある国立新美術館などがあります。この「中銀カプセルタワービル」は30歳後半の作品(まだ若いころ?)で、1972年竣工、地上13階、140個のカプセルをはめ込んだ独立した住居となっています。私は建築の世界には啓もうが深くなくよくわかりませんが、建築運動「メタボリズム(新陳代謝)」の代表的な建築物だそうです。
で、これが何の話題かというと、その保存が問題となっているのです。同ビルは2018年に中銀グループが土地などの権利を売却。買主は建て替えの意向を示し、取り壊しの危機に瀕していました。一部のカプセル所有者が同ビル保存・再生プロジェクトを立ち上げ、海外の歴史的建造物の保存を手掛ける企業と購入に向けた協議を進めてきました。現在協議が進み、交渉がまとまりつつあるとのこと。今後、改修費用などが調査され、今秋にも最終結論が出る段階になったとのこと。
同ビルは日本だけでなく海外からも関心が高く、英語/日本語によるツアーが実施されており、世界中から月間約250人の見学者が参加しているとのことです。
狭い日本。なかなか「歴史的建造物」すべてを残すことが難しく、多くの建築物が取り壊されていく中、歴史的な建物が保存され行くのはうれしいことなのでしょうが、それを手掛ける、手掛けることができるのが海外の企業だということに少々複雑な思いがします。文化的な問題なのでしょうが、壊してしまってから「もったいなかった」なんてことが無いように、自分たちの文化を大切にしていくことは、もう少し考えていかないといけないのではと思った出来事でした。